仕事で成功する理由の85%は、頭の良さではない。全部わかっていて黙っている人の話

仕事で成功する理由の85%は、頭の良さではない。

心理学者ダニエル・ゴールマンが世界に広めた概念、EQ——心の知能指数が高いから。

EQとは、自分の感情を理解し、コントロールし、相手の感情を読み取る力のこと。1995年にゴールマンが著書『EQ こころの知能指数』を出版すると世界的なベストセラーになり、フォーチュン500に名を連ねる企業の8割が、EQを研修に取り入れたと言われています。

IQが高い人は問題を解ける。でもEQが高い人は、人と人の間で起きる問題を解ける。仕事は一人ではできないから、結果としてEQが高い人の方が成果を出す。

では、EQが高い人は、日常で何をしているのか。

答えは、意外なところにあります。

あえて気づかないふりをする

EQが高い人は、全部わかっています。

誰かがマウントを取っていること。場の空気が変わったこと。相手が本音を隠していること。

でも、そこで反応しない。

あえて気づかないふりをする。

全部わかっていて、黙っている。

周りからは「鈍感な人」に見えることもあります。「あの人、何も感じてないのかな」と思われることもある。

でもそれは、鈍感なのではありません。わかった上で、反応しないという選択をしているんです。

脳科学が教える「フリーズ反応」

脳科学では、これは動物の「フリーズ反応」に近いと言われています。

動物が天敵に出会ったとき、取る行動は3つ。「闘う(ファイト)」「逃げる(フライト)」「固まる(フリーズ)」。

フリーズ反応は、勝てない敵に出会ったとき、死んだふりをして生き延びる仕組みです。

EQが高い人がやっていることは、これと同じ構造なんです。

面倒な相手に対して、戦わない。逃げもしない。ただ、反応を止める。

すると相手は、こちらに干渉する意味を感じなくなり、自然と去っていく。

戦わずに、生き延びている。

ゴールマンが定義したEQの5つの要素の中に「自己制御」があります。自分の感情を制御する能力。衝動に突き動かされて行動するのではなく、反応する前にまず一歩引いて自分の感情を観察する力。

「気づかないふり」は、まさにこの自己制御の実践なんです。

「黙る」のもう一つのメリット

黙ることには、もう一つの効果があります。

「あの人は鈍い」と思われた瞬間、相手は油断する。油断した相手は、本音を勝手にしゃべり出す。

こちらは何も消耗していない。相手の情報だけが集まってくる。

これは取り調べのプロやカウンセラーが使う「沈黙のテクニック」と同じ原理です。問い詰めるのではなく、黙ることで、相手が勝手に開いていく。

EQが高い人は、この仕組みを無意識に使っています。

戦わず、消耗せず、情報を集め、必要なときにだけ動く。

一見おとなしいけれど、実は誰よりも状況を把握している。

ただし、落とし穴がある

ここまで読んで、「じゃあ黙っていればいいんだ」と思ったかもしれません。

でも、一つだけ危険があります。

その沈黙が習慣になると、大切な人の前でも本音が出てこなくなる。

面倒な相手に対して使っていたはずの「気づかないふり」が、家族や友人、パートナーの前でも自動的に発動してしまう。

「何を考えているの?」と聞かれても、答えが出てこない。自分が何を感じているのか、自分でもわからなくなる。

守るための沈黙が、いつの間にか、自分を閉じ込める檻になっている。

ゴールマンのEQの5要素の最初に来るのは「自己認識」——自分の感情を理解する能力です。黙ることが上手くなりすぎると、この一番大切な土台が崩れてしまう。

自分の感情がわからない状態で、相手の感情は読めません。EQの土台は、まず自分の内側を知ることなんです。

黙るのは、武器。黙り続けるのは、自分を消すこと

面倒な相手に対して黙ることは、立派な知恵です。

消耗しないために、戦わないために、フリーズ反応を使って生き延びる。それは弱さではなく、EQが高い証拠。

ただし、その武器を全場面で使い続けると、自分自身が消えていく。

大切なのは、使い分けること。

面倒な相手には、黙る。守る。反応しない。
でも、信頼できる人の前では、沈黙を脱ぐ。

「私は本当はこう感じている」
「あのとき、実は悲しかった」

その一言を、安全な場所で、安全な相手に言えること。

それが、本当にEQが高い人なんです。

普段はおとなしいけど、やるときはやる

「普段はおとなしいけど、やるときはやる」

これが一番強い。

99%は黙っている。でも残りの1%で、自分の本音をちゃんと出せる。

その1%がいつなのかを見極められるのが、本当のEQ。

もしあなたが今、黙ることが得意で、でも最近「何を感じているかわからなくなってきた」と感じているなら。

それは、武器の使いすぎのサインかもしれません。

今日の終わりに、自分にだけ本音を返してみてください。声に出さなくていい。ノートに書くだけでもいい。

「本当は疲れていた」
「本当はあの言葉が嫌だった」

それだけで、自己認識の土台が少しずつ戻ってきます。

黙るのは、武器。でも、黙り続けるのは、自分を消すこと。

使い分けられる人が、本当にEQが高い人。

その小さな積み重ねで、あなたの人生を変えていく。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

本音と直感を整える人。50代。会社員時代に人間関係で心と体を壊し、ノート・アロマ・瞑想で自分を取り戻しました。その経験から、40〜50代女性に向けて「もう、頑張らなくていい」を静かに届けています。

コメント

コメントする

目次