自分のためにお金を使えるようになった理由

お金の不安というと、
「収入が少ないから」
「貯金が足りないから」
そんなふうに思われがちです。

もちろん、それが理由になることもあると思います。
でも、以前の私のお金の不安は、それだけではありませんでした。

大きく困っているわけではないのに、
なぜかいつも心のどこかに小さな緊張感がある。
必要なものを買うときでさえ、すぐには決められない。
本当に欲しいものより、少しでも安いものに安心してしまう。

私は長いあいだ、そんな自分を
「節約家だから」
「無駄遣いしない性格だから」
と思ってきました。

でも今振り返ると、それは単なる節約ではなく、
お金に対する不安がしみついていた状態だったのだと思います。

そしてその感覚の奥には、
母がよく口にしていた
「もったいない」
という言葉がありました。


目次

私は「もったいない」の中で育ちました

私の育った家は、決して裕福ではありませんでした。

贅沢をする余裕がある家庭ではなく、
必要なものを見極めながら、できるだけ無駄のないように暮らしていく。
そんな空気の中で育ってきたように思います。

母は、お金をとても大切に使う人でした

母はいつも、お金を大切に使っていました。

まだ使えるものは捨てない。
必要のないものは買わない。
少しでも安いものを選ぶ。
使い切るまで次を買わない。

そういう感覚は、特別に教え込まれたというより、
毎日の暮らしの中で自然と私の中に入ってきたものでした。

今ならわかります。
母は家族の暮らしを守るために、できることを精一杯やっていたのだと思います。
だから私は、その価値観を否定したいわけではありません。

ただ、その「もったいない」は、
暮らしを守る知恵であると同時に、
私の中に
足りなくなるかもしれない
という感覚も残していったのかもしれません。


以前の私は、自分のために使うことが苦手でした

大人になれば、少しは気楽になれると思っていました。
自分で働き、自分で使えるお金を持てるようになれば、
お金への不安も薄れていくのだろうと。

でも実際は、そう簡単ではありませんでした。

値段によっては、必要なものでも何度も迷っていました

以前の私は、必要だと思うものでも、値段によっては買う前に何度も迷っていました。

本当はこっちが好きだと思っても、少しでも安い方を選んでしまう。
洋服でも、日用品でも、気づくと「割引されているもの」に安心してしまう。
それが当たり前になっていました。

それは節約しているつもりでもありました。
でも今思うと、得をしたいというより、
損をしたくない気持ちの方がずっと強かったのだと思います。

そしてそれ以上に、
自分のために気持ちよくお金を使うことに、
どこかで許可が出せなかったのだと思います。

自分に使うことには、罪悪感がついてきました

人のためには使えても、自分のためになると急に遠慮が出る。
本当に欲しいものがあっても、
「これで十分」
「今の私にはこっちでいい」
と、自分の気持ちを小さくしてしまう。

あの頃の私は、お金を使えなかったというより、
自分に使うことに罪悪感を持っていたのだと思います。


私はお金だけでなく、安心まで節約していたのかもしれません

今振り返ると、
私はお金を大切にしていたつもりで、
安心することまで後回しにしていたのかもしれません。

欲しいものがあっても、まず我慢する。
疲れていても、まだ大丈夫だと言い聞かせる。
心が整うものが必要でも、それを贅沢のように感じてしまう。

その癖は、お金のことだけではなく、
生き方そのものにつながっていました。

「私のことは後でいい」
「今はまだ我慢できる」
そんな感覚が、お金の使い方にもそのまま出ていたのだと思います。

それは節約ではなく、
心の節約だったのかもしれません。


でも今は、自分のためにお金を使えるようになりました

そんな私も、今は以前よりずっと、
自分のためにお金を使えるようになりました。

もちろん、何も考えずに使うということではありません。
でも少なくとも、
「自分のために使うことは悪いことではない」
と受け取れるようになってきました。

自分のために使うことは、わがままではありませんでした

少し良いものを選ぶこと。
心が整うものにお金を使うこと。
必要な学びや癒しにお金をかけること。
疲れたときに無理をせず、自分を休ませること。

そういうことは、以前の私にはどこか贅沢に感じられました。
でも今は、それが贅沢なのではなく、
自分を大切にするために必要なことだったのだとわかります。

自分のために使うことは、甘えではありません。
それは、自分を雑に扱わないということです。

変わったのは、お金の額より感覚でした

何か特別な出来事があったわけではありません。
ただ少しずつ、
「これは本当に無駄なのか」
「ただ昔の不安が反応しているだけではないか」
と、自分に問いかけるようになりました。

その積み重ねの中で、
私はようやく、
必要なものを必要だと認められるようになってきたのだと思います。

お金そのものが変わったというより、
お金に向き合う自分の感覚が変わってきた。
それがいちばん大きかったように思います。


お金の不安の奥には、昔の感覚が残っているのかもしれません

今感じているお金の不安は、
今の現実だけから生まれているとは限りません。

育った家の空気。
親の言葉。
我慢することが当たり前だった時間。
いい子でいようとした気持ち。

そういうものが少しずつ積み重なって、
今の反応になっていることもあるのだと思います。

だからこそ、不安をただ消そうとするのではなく、
私は何を受け継いできたのだろう
と見つめることが、とても大切なのだと思います。


最後に

母の「もったいない」は、きっと家族を守るための言葉でした。
でも、今の私まで、あの頃と同じ不安の中で生き続けなくていい。
そう思えるようになってから、私は少しずつ、自分のためにお金を使えるようになりました。

必要なものを必要だと認めること。
心が整うものを選ぶこと。
自分のために使うことを、後ろめたく思いすぎないこと。
それは私にとって、お金の使い方の変化というより、
自分の扱い方の変化だったのだと思います。

もしあなたも、理由のわからないお金の不安を抱えているなら、
それはあなたが弱いからでも、だらしないからでもありません。
長い時間をかけて身についた感覚が、心の中に残っているだけなのかもしれません。

でも、その感覚は見直していけます。
私自身がそうだったように、
安心は、少しずつ育てていけるものなのだと思います。


🌙月城凛音

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この記事を書いた人

本音と直感を整える人。50代。会社員時代に人間関係で心と体を壊し、ノート・アロマ・瞑想で自分を取り戻しました。その経験から、40〜50代女性に向けて「もう、頑張らなくていい」を静かに届けています。

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