「完璧でなければ」と自分を追い込む人は、35年間、増え続けている。
8万人以上を対象にしたロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究が、そう報告しています。
中でも、「他人からどう見られるか」を気にする完璧主義は、33%も増加。
研究チームは、はっきりとこう述べています。
「完璧主義は、公衆衛生上のリスクである」と。
「ちゃんとしなきゃ」
「失敗してはいけない」
「人に迷惑をかけてはいけない」
その声が、頭の中でずっと鳴り続けていませんか。
それは、あなたの性格のせいではありません。
私たちの世代が、長い時間をかけて植え付けられてきたものなんです。
「ちゃんとしている私」でしか、存在できなかった

学校では成績のいい子でなければいけない。
家では手のかからない子でなければいけない。
社会に出れば、仕事も家事も完璧にこなさなければいけない。
母になれば、子どもにとって理想の存在でなければいけない。
「ちゃんとしなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」
その声に従うことだけが、自分の存在を許される条件だと、どこかで思い込んでいました。
少しでもできない自分が顔を出すと、激しく責めました。
「こんなんじゃダメだ」「もっとがんばらなきゃ」と。
そうやって、自分を内側から削り取っていたんです。
完璧な人間など、この世にひとりもいない

ある日、体が動かなくなりました。
そのとき、ようやく気づいたのです。
完璧な母も、完璧な妻も、完璧な社員も、存在しない。
「ちゃんとしている」ように見える人も、見えないところで失敗し、迷惑をかけ、それでも生きている。
私が50年以上追いかけてきた「完璧」は、最初から、幻だったんです。
割れたところを、金で継ぐ

日本には「金継ぎ」という伝統的な技法があります。
割れた茶碗の傷を、金で継いで修復する。
金継ぎされた器は、もとの器より価値が高くなることがあります。
傷そのものが、その器だけの物語となり、美しさになるからです。
人間もきっと、同じです。
これまでの失敗も、後悔も、できなかった自分も、すべてが今のあなたを形づくっています。
欠点があるから、人は愛おしい。
弱さがあるから、人は誰かにやさしくなれる。
完璧でない自分こそが、ほんとうの自分なんです。
今日は、ここまでで十分

長年「ちゃんとしなきゃ」と生きてきた人が、急にそれを手放すのは難しいかもしれません。
だから、小さな練習から始めてみてください。
今日、できなかったことに気づいたら、こう自分に言う。
「今日は、ここまでで十分」
完璧にできなかった自分を責めるのではなく、できたところまでを認める。
たったそれだけのことなのに、心が驚くほど軽くなります。
もしあなたが今、「ちゃんとしなきゃ」に疲れているなら。
今日だけ、その言葉を手放してみてください。
できない自分も、弱い自分も、まるごと許してあげる。
その小さな積み重ねが、あなたの人生を変えていく。
🌙月城凛音



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