あなたの脳は、ほめられた言葉より、傷つけられた言葉のほうを、ずっと長く覚えています。
10回「ありがとう」と言われても、たった1回の否定的な言葉が頭から離れない。 そんな経験、ありませんか。
それは、あなたの性格のせいではありません。 脳の「初期設定」がそうなっているだけなんです。
脳は「危険」を優先するようにできている

心理学で「ネガティビティ・バイアス」と呼ばれる、脳のクセがあります。
人間の脳は、ポジティブな出来事よりも、ネガティブな出来事を約3倍強く記憶するように設計されています。
これは大昔、人間が自然の中で生き延びるために必要だった機能です。 「あの場所で怖い思いをした」という記憶を強く残すことで、同じ危険を避けられるようにしていた。
つまり、嫌なことばかり覚えてしまうのは、脳があなたを守ろうとしている証拠なんです。
けれど、現代の暮らしでは、この機能が裏目に出ることがあります。
上司のひと言が頭から消えない。 何年も前の失敗をくり返し思い出す。 友人のさりげない言葉に傷ついて、夜眠れなくなる。
どれも、脳が「危険」として記録してしまっているだけ。 あなたが弱いのではなく、脳がそう動くようにできているだけなんです。
自分を責めてしまう本当の理由

「なんで私はこんなことで落ち込むんだろう」 「みんなは気にしないのに、なんで私だけ」
そうやって自分を責めたことがある人は、多いと思います。
けれど、ここまで読んで気づいた方もいるかもしれません。
落ち込みやすいのは、あなたの弱さではない。 脳が、あなたを守ろうとして過剰に反応しているだけなんです。
この仕組みを知っているだけで、自分を責める回数は減ります。
「ああ、また脳が反応してるな」
そう思えた瞬間、あなたはもう巻き込まれていません。 気づいているということは、その思考と距離を取れているということです。
あなたの近くにいる人の言葉が、あなたの脳を作っている

ネガティビティ・バイアスには、もうひとつ大切な視点があります。
それは、あなたの近くにいる人の言葉が、あなたの脳に与える影響です。
脳はネガティブな情報を3倍強く記録する。 つまり、否定的な言葉をよく使う人のそばにいると、あなたの脳はそのネガティブな言葉を、強く、深く、刻み込んでいきます。
反対に、穏やかな言葉を使う人のそばにいると、脳はその安心感を記憶します。
「なんだか一緒にいると疲れる人」 「なぜかわからないけど、会うと元気になる人」
その違いは、気のせいではありません。 脳が、相手の言葉に反応しているんです。
だから、意識して「関わる相手」を選んでください。
それは冷たいことではありません。 あなたの心を守るための選択です。
今日から変えられる、たったひとつのこと
ネガティビティ・バイアスは脳の初期設定。 だから、ゼロにすることはできません。
けれど、知っているだけで、反応のしかたは変わります。
嫌なことがあったとき、「また脳が反応してるだけだ」と気づく。 自分を責めそうになったとき、「これは性格じゃなくて、脳のクセだ」と思い出す。
そのひとつの気づきが、あなたの毎日を少しずつ軽くしてくれるはずです。
気づいただけで、あなたの内面は変わり始めています。
🌙月城凛音



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